コラム

脂肪注入豊胸でマルチプルインジェクションが大切な理由

バストに注入された脂肪のその後

バストに注入された脂肪のその後

現段階の研究結果では、豊胸手術でバストに注入した脂肪がそのまま定着するのは、直径0.6mmまでと言われています。ただ、注入脂肪はどんなに細かく注入しても直径1mm程度にはなるので、真ん中の部分がどうしても壊死します。すると、その脂肪細胞が死んでしまったという信号を脂肪幹細胞が受け取り、代わりに新しい脂肪細胞へと生まれ変わるのです。
注入後1〜3ヶ月の間で乳房内ではこのような変化が起こっているのですが、そのためには注入素材である脂肪の中に脂肪幹細胞が十分に含まれている必要があります。脂肪幹細胞が十分でない場合、新しい脂肪細胞が生まれないのでバストアップ効果も見込めないのです。
脂肪幹細胞が十分に含まれていたとしても、注入脂肪の直径が2.4mm以上になると、中心部分の脂肪幹細胞も酸欠になり壊死してしまいますので、脂肪細胞に分化、成長することができません。注入技術として、バストのあらゆる層に少しずつ注入していくマルチプルインジェクション技術が重視されるのはこのためです。

大量注入で大きくなっても実は......

大量注入で大きくなっても実は......

しかし、いくらこの技術を駆使して脂肪幹細胞や脂肪細胞を注入しても乳房内の一定限度(個人差があります)を超えると、注入組織全体が酸欠状態を引き起こし、いっせいに壊死してしまいます。一度に大量の脂肪細胞を注入するのが危険なのはこのような理由があります。
もし、脂肪注入による豊胸手術で3カップ以上の結果を得ようとするなら、脂肪幹細胞が分化、成長を終えて安定する3ヶ月以降に追加注入をするのが効果的でしょう。また、一度に大量の脂肪幹細胞や脂肪細胞を入れて運良く大きさが残っていても、エコー(超音波検査)で確認すると、それは生きた脂肪組織ではなく、壊死した脂肪がしこりとして残っている場合も多いのです。