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脂肪定着メカニズムの新見解とは?

幹細胞の本当の働きと脂肪細胞の行方

「ダメージが加わらないよう採取し、不純物を優しく除去して注入した脂肪細胞は、より多く生着する。」
豊胸手術や顔の若返り施術の脂肪注入において、この考えは一見正しいように聞こえるかもしれません。実際、10年ほど前まではこの見解が正しいと信じられていました。しかし近年では、脂肪細胞だけでなく、採取した組織に含まれる幹細胞の働きが大きく関わっているという見解が支持されています。それは、幹細胞が他の細胞に分化する能力を持っているということです。ひとつは、注入された環境や寿命によって壊死した脂肪細胞の代わりとして脂肪細胞になる能力。もうひとつは、血管細胞へ分化することで、栄養素を運ぶ役割を果たします。このような作用によって高い定着率が期待できるのです。
では、定着しなかった脂肪細胞はどこにいくのでしょうか?実は、貪食細胞と呼ばれるリンパ球の一種(マクロファージ)によって吸収されてなくなります。ただし、脂肪を同じ部分にまとめて注入するなどの不適切な方法では、塊となって脂肪壊死します。最新の研究結果によると、直径1mm程のサイズなら自然と吸収されますが、10mmを超える塊では完全に吸収されることはなく、やがてしこりや石灰化を招くと言われています。

コラムのポイント

  • 脂肪に含まれる幹細胞は血管や脂肪に分化する能力を持つ
  • 壊死した脂肪のオイルは、小さければ吸収されてなくなる
  • 壊死した脂肪が10mm以上の塊だと、しこりになって残ってしまう