豊胸すると母乳に影響はありますか?
豊胸すると母乳の出や成分に影響が出たりしないでしょうか?将来、妊娠を考えているので心配です。
豊胸手術が母乳の出や成分に影響することはほとんどありません。
ヒアルロン酸注入、シリコンバッグ、脂肪注入などの豊胸手術は、乳腺や乳管に触れない乳腺下や大胸筋下などの層に行われるため、母乳が作られる仕組みに干渉しないためです。適切な手技で行われれば、将来の授乳機能が損なわれる心配はほぼありません。
ただし、アクアフィリングのような一部の特殊な豊胸術では母乳や授乳への影響が懸念されるものもあります。また、シリコンバッグが大きすぎると、乳腺の圧迫により乳腺炎のリスクが高まる可能性があります。
そのため、妊娠や授乳を見据えている方は、事前に医師へ相談し、方法ごとのリスクや注意点を理解したうえで施術を選ぶことが大切です。
母乳への影響が出るケースとは?
豊胸手術が母乳に影響を与えることはほぼありません。しかし、アクアフィリング豊胸の場合は注意が必要です。
アクアフィリングはやわらかいゲル状の充填剤で、注入後に体内で移動することがあります。乳腺や乳管内に入り込むと炎症を引き起こす可能性があり、その影響で母乳に成分や菌が混ざる恐れがあるのです。また、主成分のポリアクリルアミドは発がん性が疑われており、その安全性も確立していません。
日本美容外科学会では、アクアフィリング豊胸を推奨しないと正式に示しています。また、海外でも豊胸目的で使用するアクアフィリングには注意が必要だと注意喚起がなされています。
当院にもトラブルのご相談や除去依頼でご来院される方が少なくありません。過去にアクアフィリング豊胸を受けた方は、乳腺用エコーで検査することも可能ですので、一度ご相談ください。
▶アクアフィリング除去外来について
母乳への影響はなくても乳腺炎のリスクが高まる可能性がある
乳腺炎とは、乳腺内で炎症が起き、バストの腫れや痛み、発熱などを伴う状態のことです。授乳期によく見られるトラブルで、豊胸手術を受けていない女性でも、母乳がうまく排出されずに詰まってしまい、発症することがあります。
シリコンバッグ豊胸を行った女性では、乳腺がシリコンバッグによって圧迫され、乳腺炎を発症するリスクがわずかに上昇する可能性があります。
また、バッグの破損やバストの張りを気にして妊娠や授乳前にバッグの抜去を行う女性も少なくありません。
授乳後に豊胸するのも手段の一つ
授乳を終えた後に「胸のハリがなくなった」「しぼんで形が崩れた」と感じる方が多くいらっしゃいます。このようなときに特に向いているのが、脂肪注入による豊胸手術です。
授乳後は皮膚が伸びているため、脂肪を注入するスペースが十分にあり、脂肪が定着しやすい理想的な状態です。脂肪注入は自己組織を注入する治療であり、授乳前でも問題はありませんが、豊胸を急いでないのであれば、授乳が終わってから手術を受けることも検討してみるとよいでしょう。
豊胸について少しでも気になることがあれば、お気軽にカウンセリングでお尋ねください。
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