豊胸インプラントの“その後” ~リスクと安全は、エコーで追跡~

豊胸インプラントの“その後” ~リスクと安全は、エコーで追跡~

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豊胸インプラント挿入後には、さまざまなトラブルがつきものです。そんなトラブルを回避すべく、THE CLINIC はある検査をお勧めしています。
このコラムでは、豊胸インプラントのリスクや安全性、挿入後の胸を追跡する検査についてご紹介。

この記事の監修ドクター

大橋 昌敬
大橋 昌敬 医師
(THE CLINIC 総院長 / 日本美容外科学会専門医 / 日本美容外科学会会長

豊胸大国アメリカにおける豊胸インプラント

日本とアメリカ、豊胸手術の実施件数を比較

年間40万件もの豊胸手術が行われているアメリカ合衆国。ダントツの手術件数を誇る「豊胸大国」です。
こう聞くと、アメリカは豊胸手術に関する規制が比較的緩やかなのかと思われるかもしれません。しかし、実態はその逆で、日本以上の慎重な姿勢がうかがえます。
これは、豊胸インプラントも然り。日本の厚生労働省にあたる政府機関、米国食品医薬品局(FDA)が生理食塩水タイプの豊胸インプラントを初めて承認したのは2000年、シリコンバッグプロテーゼに至っては2006年と、意外にもごく最近のことでした。また、豊胸インプラントの使用には年齢制限が設けられており、生理食塩水バッグは18歳以上、シリコンバッグプロテーゼは22歳以上と定められているのです。ちなみに、日本にこうした規制はなく、未成年でも保護者の同意があれば、医師の裁量で豊胸インプラントの手術を行うことができます。

アメリカでは、豊胸インプラントの寿命を公的機関が明示

豊胸インプラントに関するFDAの調査結果

アメリカでは、国が主導になったリスクの啓発にも余念がありません。「豊胸インプラントの寿命は平均10年。11年以内には、少なくとも片方が破損する」との調査結果をFDAが公表しています。その一方、日本ではいまだにシリコンバッグプロテーゼなど豊胸インプラントの効果を「半永久的」などと吹聴する広告が散見されます。アメリカと日本の違いは、営利目的の宣伝だけでなく、公的、中立的なデータが示されていることでしょう。このことが、人々のより正しい選択を可能にするのかもしれません。

現場では、多くのトラブルが

カプセル拘縮は被膜が厚くなり、バッグを締め付ける

日本にはアメリカのような公的な統計データが乏しく、豊胸手術の実態が一般の人には分かりにくいのが実状です。豊胸インプラントの「半永久性」をうたう誇大広告を真に受ける人が出てしまうのも、無理からぬことでしょう。ただ、豊胸インプラントは人工物である以上、経年劣化を防ぐことができません。また、体にとっては異物なので、挿入後に何らかの拒絶反応が生じることは十分に想定できます。現にTHE CLINICには、豊胸インプラントに関するトラブルで相談に訪れるゲストが、後を絶ちません。これまで、カウンセリングから豊胸インプラントの抜去手術に至ったケースは、延べ423件。相談も含めると、その数はゆうに1,000件を超えるでしょう。
特に多いのが、「カプセル拘縮」に関する相談です。豊胸インプラントをバストに挿入すると、人体は異物であるインプラントを被膜で閉じ込めようとします(ここまでは正常な生体反応です)。問題は、この被膜が必要以上に厚くなったときです。バストの感触が硬くなるだけでなく、形状が異常と思えるようなまん丸(テニスボール状)になり、場合によっては痛みを伴います。「カプセル拘縮」とは、このような障害を指し、豊胸インプラントを挿入した10人に1人の割合で存在すると言われています。

カプセル拘縮。重症度の診断法は?

カプセル拘縮の診断では、「Bakerの被膜拘縮分類[1]が基準として用いられます。その重症度は、最も軽いGrade1から最重症のGrade4に分類されるのですが、大橋ドクターによると、テクスチャード(表面がザラザラ)タイプのコヒーシブシリコンが主流の現在、どんなに手術がうまくいってもGrade2程度の違和感は残るとのこと。また重症度は、時間経過とともに悪化の一途を辿ると言います。豊胸インプラントを挿入した瞬間から、止めることのできないカウントダウンが始まるのです。
Grade4の症例写真をご覧ください。ここまで来ると、たとえ豊胸インプラントを抜去し、コンデンスリッチ豊胸など質の高い脂肪注入を行ったとしても、完全に元の状態に戻すことは難しいと考えられます。

カプセル拘縮のレベル表

術後のモニタリングでリスクを回避

豊胸インプラントを挿入した後は、施術に伴うリスクを常に頭の片隅に置き、ご自分のバストの状態をこまめにチェックすることが重要です。
THE CLINIC では、豊胸インプラント挿入後に不安を抱くゲストに対し、乳腺用エコー「エラストグラフィ」による検査をお勧めしています。これによって乳腺の状態はもちろん、インプラントの位置や破損状況、被膜や石灰化の状態等を詳しく確認し、適切な対処法をご提案しています。過去に入れたシリコンバッグプロテーゼなどの豊胸インプラントの状態が気になる方は、是非、最寄りの院までお問い合わせください。
リスク啓発という点で、アメリカに後れを取っている日本。せめてこのコラムが、何らかの気づきにつながれば幸いです。

エラストグラフィーによるエコー画像

こちらの動画では、豊胸インプラントの3つの主要施術について、その後の経過をわかりやすく解説しています。
ぜひ参考にご覧ください。

コラムのポイント

  • 豊胸インプラントのリスクに対する日本の認識は、アメリカに比べて甘い
  • 豊胸インプラントのトラブルの中で、特に数が多いのがカプセル拘縮
  • 挿入した豊胸インプラントの実態を知り、適切な対処を検討するために、エコー診断は有効

<監修医師紹介>

大橋 昌敬

大橋 昌敬 (THE CLINIC 総院長 / 第112回日本美容外科学会会長)

■経歴
  1. 1990年
    久留米大学医学部 卒業
    久留米大学医学部 第二外科 外科学 入局
    (胸部外科学、救急医学、麻酔全般を習得/博士号取得)
  2. 1994年
    Toronto General Hospital(Canada)
  3. 2000年
    聖心美容外科 東京院副院長 就任
  4. 2003年
    聖心美容外科 福岡院院長 就任
  5. 2009年
    THE CLINIC 福岡院院長 就任
  6. 2012年
    THE CLINIC 東京院院長 就任
  7. 2015年
    THE CLINIC 技術指導医 就任
  8. 2017年
    THE CLINIC 統括指導医 就任
  9. 2022年
    THE CLINIC 総院長 就任
  10. 2023年
    第112回日本美容外科学会長就任
■資格
  • 日本胸部外科学会認定医
  • 日本外科学会認定医
  • 日本美容外科学会専門医
  • VASER Lipo認定医
  • TOTAL DEFINER by Alfredo Hoyos 認定医
■所属学会
  • 日本外科学会
  • 日本胸部外科学会
  • 日本形成外科学会
  • 日本美容外科学会(JSAS)
  • 日本美容外科学会(JSAPS)
  • アメリカ形成外科学会(ASPS)

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