豊胸すると老後はどうなる?【専門医がその実態を解説】

豊胸すると老後はどうなる?【専門医がその実態を解説】

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豊胸を検討する際は、どれくらいバストアップできるかはもちろん、施術後のバストが将来どうなるかも気になるところかと思います。また、豊胸したはいいものの、将来の変化が不安…という方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回は豊胸したバストが老後どう変化していくのかを、代表的な豊胸術ごとに解説します。

この記事の監修ドクター

大橋 昌敬
大橋 昌敬 医師
(THE CLINIC 総院長 / 日本美容外科学会専門医 / 日本美容外科学会会長

加齢によるバストの変化

まず最初に、豊胸していないバストは加齢とともにどのように変化していくのかを解説します。

クーパー靭帯が伸びる

クーパー靭帯は、バスト内に存在するコラーゲンが主成分の線維組織です。大胸筋、乳腺、皮膚など、乳房の内部全体に張り巡らされ、ふっくらとしたバストのかたちを維持しています。しかし、クーパー靭帯はコラーゲンが主成分のため、一度伸びてしまうと元には戻りません。妊娠・授乳によるバストの変化や、加齢によって筋力・コラーゲンが減少していくことで、クーパー靭帯は伸び、バストも下垂していきます。

クーパー靭帯の変化

閉経による乳腺の萎縮

日本人女性は平均50.5歳で閉経(月経が完全に停止)すると言われています[1]。閉経後には、急激な女性ホルモンの減少によって、乳腺の萎縮が見られます。乳腺が萎縮するとバストのボリュームやハリがなくなり、下垂が目立つようになります。

閉経後のバストの変化

豊胸すると老後のバストはどう変化する?

豊胸していないバストは加齢とともに下垂し、ボリュームダウンしていきます。では、豊胸したバストの場合、長期的には(例えば老後を迎えた頃には)どう変化するのでしょうか?また、豊胸の種類によって違いはあるのでしょうか?ここでは代表的な豊胸術である、シリコンバッグ豊胸と脂肪注入豊胸で比較検証します。ヒアルロン酸豊胸もよく行われますが、ヒアルロン酸は、2~3年程度という短い期間で体内に吸収されてしまうため、今回は比較対象に入れていません。

豊胸術ごとの加齢によるバストの変化

シリコンバッグ豊胸 脂肪注入豊胸 ヒアルロン酸豊胸
大きさ 維持される ある程度維持される 2~3年程度で体内に吸収される
見た目 不自然になる可能性がある 自然
触感 硬くなることが多い 柔らかいまま

シリコンバッグ豊胸は、どなたでも大幅なバストアップが叶う豊胸術です。バストにシリコン製のバッグを物理的に入れているので、時間が経っても大きさは変わりません。バストの大きさが維持されると聞くと、良いことのように感じますよね。しかし、実際にはバストが変形し、不自然な形になってしまったというケースが多発しているんです。不自然な形になってしまう理由は、大きく2つあります。

乳腺の萎縮でバッグの形が浮き出る

加齢が進み乳腺が萎縮すると、乳腺が占めていた分のボリュームが減ります。そうすると、シリコンバッグ自体に問題がなくても、バッグそのもののかたちが表面に浮き出てきやすい状態に。その結果、「何か入っている」ような不自然に盛り上がったバストになってしまいます。バストのボリュームは保たれても、見た目の自然さは大きく損なわれてしまうのです。

シリコンバッグ豊胸の変化

経年変化によるバッグの変形

写真は、20年ほど前にシリコンバッグを挿入し、バッグの変形にお悩みで当院にご相談に来られたゲストです。シリコンバッグは挿入後、バッグを包むように薄い膜(被膜)に覆われます。この被膜が厚くなり、バッグを締め付ける現象がカプセル拘縮(被膜拘縮)です。シリコンバッグ豊胸をされた方の10人に1人程度がカプセル拘縮を経験します。被膜は時間の経過とともに厚くなっていき、バストの触感も硬く変形していきます。
カプセル拘縮を放置してしまうと次に起こるのが石灰化(体液中に含まれるカルシウムが結晶化し、被膜に沈着すること)です。こうなるとバストは石のように硬くなり、変形もより顕著になります。

シリコンバッグ豊胸のカプセル拘縮

シリコンバッグ豊胸後の変化については、こちらの動画でも解説しています。

▼写真のゲストがバッグ除去を行った症例はこちら

より自然な状態でのバストアップが叶う脂肪注入豊胸。老後の変化は豊胸していない場合とほとんど変わりません。年相応に変化していきます。しかし、脂肪注入豊胸ならではの特長もあるのでご紹介しましょう。

バストが下垂しにくい

脂肪注入豊胸を行った70代女性

乳腺は加齢によって萎縮しますが、脂肪は年齢によって多少劣化するものの、急激に減るということはありません。そのため、豊胸していないバストに対し、脂肪注入豊胸後のバストの方が形も大きさも保たれ、下垂しにくいと言えます。ただ、痩せすぎには注意してください。痩せてしまうと、バストの脂肪も減ってしまうからです。

脂肪注入豊胸後の変化については、こちらの動画でも解説しています。

【実態報告】20年前に受けたシリコンバッグ豊胸の改善

シリコンバッグ豊胸後、加齢やバッグの劣化による見た目の変化にお悩みの方は少なくありません。実際に20年以上前にシリコンバッグ豊胸を受け、当院へご相談に来られたゲストの症例をご紹介します。

【62歳女性の症例】シリコンバッグ除去+脂肪注入豊胸

約20年前にバッグを挿入したゲストです。もともと硬さがあり、最近になってバストの崩れを感じるようになったとのことで、ご相談に来られました。バッグは変形し、皮膚から突き出している状態でした。バストはそんなに大きくしたくないというご要望で、バッグの除去と自然で柔らかなバストになるように脂肪注入を行っています。多少ボリュームダウンしたものの、自然なバストに仕上がりました。

施術名 シリコンバッグ除去+コンデンスリッチ豊胸
施術概要 乳腺用エコーを用いて、バスト内の状態を確認。その後、腋下か乳房下を切開してバッグを除去する。同時に、太もも、腹部などの皮下脂肪を採取し、そこから老化細胞や血液等の不純物を特許技術の遠心濾過で除去。これをバッグ除去後のバストのスペースに注入する。
施術費用(標準モニター) ¥1,064,000(税込¥1,170,400)
モニター募集に関して詳しくはこちらをご覧ください。
【バッグ摘出/再生豊胸モニター募集】
施術の副作用・リスク 施術後には一定期間、痛み、浮腫み、内出血、こわばり等の症状が見られることがあります。また、この他にも予期しない症状が現れる可能性がありますので、術後異常を感じた際には速やかにご相談ください。

【62歳女性】年相応の胸にしたいというご希望でご来院

【62歳女性の症例】シリコンバッグ除去+脂肪注入豊胸

25年前にバッグを挿入したゲストです。年相応の胸にしたい、というご希望でご相談に来られました。強いカプセル拘縮でバストは硬く、立っていても全く下垂しない不自然な状態でしたが、術後は自然に下垂する年相応のバストに仕上がりました。

施術名 シリコンバッグ除去+コンデンスリッチ豊胸
施術概要 乳腺用エコーを用いて、バスト内の状態を確認。その後、腋下か乳房下を切開してバッグを除去する。同時に、太もも、腹部などの皮下脂肪を採取し、そこから老化細胞や血液等の不純物を特許技術の遠心濾過で除去。これをバッグ除去後のバストのスペースに注入する。
施術費用(標準モニター) ¥1,064,000(税込¥1,170,400)
モニター募集に関して詳しくはこちらをご覧ください。
【バッグ摘出/再生豊胸モニター募集】
施術の副作用・リスク 施術後には一定期間、痛み、浮腫み、内出血、こわばり等の症状が見られることがあります。また、この他にも予期しない症状が現れる可能性がありますので、術後異常を感じた際には速やかにご相談ください。

【81歳女性】石のように硬かったバストから柔らかなバストに

【81歳女性の症例】シリコンバッグ除去+脂肪注入豊胸

約20年前にバッグを挿入したゲストです。バストは石灰化が強く、除去前の触感は石のように硬い状態でした。石灰化は可能な限り取り除き、自然な柔らかさになるようにしています。術後は柔らかで自然なバストに仕上がりました。脂肪注入したことで形と大きさが保たれ、80代とは思えない下垂の少ないバストです。家族にはバッグが入っていることを秘密にしていたとのことで、「これでバストを気にせず、家族で温泉に行けます」とお喜びの声をいただきました。

施術名 シリコンバッグ除去+コンデンスリッチ豊胸
施術概要 乳腺用エコーを用いて、バスト内の状態を確認。その後、腋下か乳房下を切開してバッグを除去する。同時に、太もも、腹部などの皮下脂肪を採取し、そこから老化細胞や血液等の不純物を特許技術の遠心濾過で除去。これをバッグ除去後のバストのスペースに注入する。
施術費用(標準モニター) ¥1,064,000(税込¥1,170,400)
モニター募集に関して詳しくはこちらをご覧ください。
【バッグ摘出/再生豊胸モニター募集】
施術の副作用・リスク 施術後には一定期間、痛み、浮腫み、内出血、こわばり等の症状が見られることがあります。また、この他にも予期しない症状が現れる可能性がありますので、術後異常を感じた際には速やかにご相談ください。

【番外編】シリコンバッグ除去だけ行うとどうなる?

左側のみシリコンバッグ除去行った様子

写真は、向かって左側のみバッグを除去した状態です。
脂肪注入しなくても、シリコンバッグの除去だけすれば良いのでは?と思われる方もいらっしゃるでしょう。たしかに、バッグの除去のみ行うことも可能です。しかし、バッグ除去のみだとバストが大きくへこんでしまうことも。除去のみ行った方の中には、あまりの変わりようにショックを受けられる方も少なくありません。そのため当院では、バッグ除去と同時の脂肪注入豊胸を推奨しています。

豊胸後の思わぬデメリット・乳がん検診

マンモグラフィー検査

近年の女性の部位別がん罹患数は乳がんが1位です[2]。40代後半~50代前半が発症のピークで、年齢を重ねるごとにリスクは上がります。そして、乳がんの早期発見・治療をするために欠かせないのが、乳がん検診。40代以降の検診にはマンモグラフィ検査が推奨されていますが[3]シリコンバッグ豊胸とヒアルロン酸豊胸をしていると、多くの場合断られてしまいます(エコー検査は可能)。シリコンバッグはバッグの破損、ヒアルロン酸は被膜が破れ、炎症を起こしてしまう可能性があるためです。
脂肪注入豊胸は、しこりがなければマンモグラフィを受けていただくことが可能です。
きちんと乳がん検診を受けたいという方は、シリコンバッグ、ヒアルロン酸の除去をおすすめします。

豊胸術ごとの乳がん検診については、こちらの動画でも解説しています。

老後を考えると、豊胸は脂肪注入がおすすめ

上記症例のゲストのように、当院では過去にシリコンバッグを挿入し、除去を希望される方から数多くのご相談をいただきます。理由としては、

「身体の老化に対して胸だけ大きいのが不自然だから」
「今後病気や事故にあった際にバッグが入っていることを知られたくないから」
「周りの目を気にせずに家族と温泉に行きたいから」

など、老後ならではのお悩みが多いようです。その点、脂肪注入豊胸は加齢とともに自然に変化し、年相応のバストになれます
豊胸を検討される際は、長期的な変化も考えたうえで豊胸術を選択していただくことをお勧めします。当院では豊胸のご相談はもちろん、過去にシリコンバッグ豊胸を受け、トラブルを抱えている方のご相談も承っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。

コラムのポイント

  • シリコンバッグ豊胸は、加齢とともに不自然な形になる可能性がある
  • 脂肪注入豊胸は加齢とともに下垂し、自然なバストになる
  • 乳がん検診や老後のことを考えると、脂肪注入豊胸がおすすめ

よくある質問

  • 豊胸手術は何年くらい持ちますか?

    ヒアルロン酸豊胸は半年~2年程度で体内に吸収されます。シリコンバッグ豊胸の寿命は平均10年で、トラブルが生じた場合は抜去か入れ替えが必要です。脂肪注入豊胸は、3ヵ月ほどで定着した後は、半永久的に維持されます。体重の増減や加齢で変化することはありますが、この変化は豊胸していなくても同じです。

  • シリコンバッグ豊胸の場合、一生交換しないというのは無理なのでしょうか?

    一生というのは難しいですが、必ずしも10年で交換しないといけないというわけではありません。

    シリコンバッグの寿命は一般的に10年程度と言われていますが、特にトラブルなく、ご自身が気にならなければ、10年で除去する必要はありません。ただし、バストの痛みや変形、硬くなったり左右差が出るなどのトラブルがあれば、除去の検討をおすすめします。放置すると悪化する可能性もあるので、トラブルがある場合はまず一度、クリニックへ相談しましょう。

  • 脂肪注入豊胸で失敗してしまうこともあるのでしょうか?

    正しく注入すれば脂肪は定着しますが、誤った注入をしてしまうと失敗(しこりができる)につながることがあります。

    脂肪注入豊胸の場合、注入した脂肪が壊死してしまうとしこりになります。脂肪が壊死する原因は大きく分けて3つです。

    ・脂肪に不純物が多い
    ・脂肪の大量注入
    ・脂肪を塊で注入する

    当院では、特殊な加重遠心分離法で、クリーンな成分だけを濃縮させた脂肪(コンデンスリッチファット)を使用する、コンデンスリッチ豊胸を採用しています。また、一度に注入できる脂肪の量は、片胸およそ200~250cc程度なので、それ以上の量の注入は原則行いません。バストへの注入は細い注射針を使用し、皮下・乳腺下・大胸筋内・大胸筋下と様々な層に細かく分散注入を行っています。これらを厳守することで、脂肪のより高い定着率が見込めます。
    正しく注入すれば脂肪は定着し、しこりができることはありません。当院では術後の乳房エコー検査を必ず実施し、しこりができていないかの確認も行っているので、ご安心ください。

  • ヒアルロン酸豊胸は老後どうなりますか ?

    ヒアルロン酸豊胸は2~3年程度で体内に吸収されるため、老後までの長期間は持続しません。ただ、しこりが残ってしまうこともあります。

    ヒアルロン酸を大きな塊で注入した場合や大量に注入してしまった場合、厚い被膜が形成されることがあります。厚くなった被膜は吸収されずしこりとして残ってしまい、バストが変形することも。しこりは自然に吸収されることはなく、いつまでも残り続けてしまいます。
    当院ではこうしたヒアルロン酸豊胸後のトラブル相談も承っております。詳しくは下記コラムをご覧ください。

    【閲覧注意】衝撃のヒアルロン酸豊胸しこり事件簿

<監修医師紹介>

大橋 昌敬

大橋 昌敬 (THE CLINIC 総院長 / 第112回日本美容外科学会会長)

■経歴
  1. 1990年
    久留米大学医学部 卒業
    久留米大学医学部 第二外科 外科学 入局
    (胸部外科学、救急医学、麻酔全般を習得/博士号取得)
  2. 1994年
    Toronto General Hospital(Canada)
  3. 2000年
    聖心美容外科 東京院副院長 就任
  4. 2003年
    聖心美容外科 福岡院院長 就任
  5. 2009年
    THE CLINIC 福岡院院長 就任
  6. 2012年
    THE CLINIC 東京院院長 就任
  7. 2015年
    THE CLINIC 技術指導医 就任
  8. 2017年
    THE CLINIC 統括指導医 就任
  9. 2022年
    THE CLINIC 総院長 就任
  10. 2023年
    第112回日本美容外科学会長就任
■資格
  • 日本胸部外科学会認定医
  • 日本外科学会認定医
  • 日本美容外科学会専門医
  • VASER Lipo認定医
  • TOTAL DEFINER by Alfredo Hoyos 認定医
■所属学会
  • 日本外科学会
  • 日本胸部外科学会
  • 日本形成外科学会
  • 日本美容外科学会(JSAS)
  • 日本美容外科学会(JSAPS)
  • アメリカ形成外科学会(ASPS)
■著書
技術教科書『安全で​失敗しない​脂肪吸引の​手術』​(克誠堂出版)​

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