糸リフト失敗の原因とは?よくある症状と医師が行う回避法

  • UPDATE

30分ほどの施術で、ダウンタイムも少ない気軽さから、たるみ治療で人気の糸リフト。ですが一方では、「ボコボコになった」「すぐに元に戻った」といった失敗や後悔の声は多く、相談に来院される方もいらっしゃいます。糸リフトを検討中の方はそんな後悔をすることのないよう、まず本当のメリットと限界を知る必要があります。
そこで、形成外科学会専門医・日本美容外科学会(JSAPS)専門医でもある今西医師が、糸リフトの失敗の核心に迫り、失敗を回避するための注意点や修正方法について解説します。

この記事の監修ドクター

今西理也
今西理也 医師

失敗しないために押さえておくべき糸リフトの知識

まずは、大前提となる糸リフトのメリットやデメリットについて、事前によく理解しておきましょう。
これを把握しておくだけでも、施術後に思ったのと違うという後悔のリスクを少なくできます。

糸リフトの最大のメリットは「たるみの予防」

糸リフトは、時間がたつと溶けて体内に吸収されますが、その溶ける過程で肌の若々しさを保つ上で必要なコラーゲンが産生されます。これにより、たるみの進行の抑制効果が期待できます。
たるみを引き上げる即効性も確かにメリットの一つですが、私はそれよりも、たるみを予防できることが最大のメリットだと考えています。

長期間ぐっと引きあがっているわけではない

糸リフト単独で物理的なたるみの引き上げ効果が続くのは、個人差や糸の違いはありますが、だいたい半年くらいです。そのため「糸リフトだけで2年間引き上げたい」というような高い理想を叶えるのは、糸の種類や手技でどうにかなるものではないので、正直難しいと考えてください。
ただ、たるみの予防効果自体は1~2年は持続します。持続期間をデメリットと受け取らず、そもそも糸リフトはメンテナンスするための治療と認識していれば、良い治療なので後悔につながることも少ないでしょう。

糸リフトでよくある失敗例とその原因

メリット・デメリットをしっかり理解していても、ドクターの手技や適応の見極めミスによっては、残念ながら失敗は起こります。特に、糸が見えてしまったり、部分的にくぼんでしまったりといった合併症が多く見られます。
そのほかに見受けられるケースについても、併せて詳しく説明します。

糸がわかる

糸自体が透けて見えたり、コグ(引っかかりになる糸の棘)が触ってわかってしまうようなケースがあります。
この失敗は、挿入する層が皮膚直下で浅すぎたことが原因で起こる失敗です。ただ、単純に深い層に入れれば失敗しないということではなく、ご希望や症状によっては浅い層に入れた方が良いこともあります。そのため、ドクターの技術力を見極めることが非常に重要です。

部分的にくぼむ/でこぼこ

挿入箇所の一部がくぼんだり、でこぼこになるのも、浅い層に挿入したことで起こる糸リフトの失敗のひとつです。
糸が変にずれると部分的にくぼむことがありますし、皮膚が薄い・脂肪が少ないケースにコグが立体的な糸を使用したりすると、リスクはさらに高まります。

引きつれる

糸リフト後の引きつった感覚は、ダウンタイム中に生じる一次的な症状かもしれません。ただ、1ヵ月くらいたっても改善されない場合は、失敗している可能性が考えられます。
原因には、こちらも挿入する層が適切でなかったということがあげられます。また、組織や症状に対して糸の牽引力が強すぎたり、少ない本数で無理やり引き上げようとすると、どうしても引きつれやすいです。

効果が感じられない

基本的には、糸リフトだけでも引き上げる効果は得られます。ただ、ドクターが適応や糸の選択、挿入する層などの判断を誤ると、本来の効果が得られず、満足度は落ちてしまいます。
また、事前にドクターの説明が不十分だったり、しっかり理解していない場合も、期待した効果が得られなかったと感じてしまう可能性があります。

糸リフトの失敗を修正する方法

実際に失敗修正のご相談をいただくこともあります。施術からの期間や失敗の原因、現在の状態によって修正方法は変わりますが、私の場合は下記のような処置を行っています。

施術から間もなければ指で修正可能

驚かれるかもしれませんが、施術から時間がたっていなければ、周辺の脂肪や組織と糸がそれほど絡んでいないため、指で押せば外れることがあるので、直ることもあります。
ただし、この方法が適切か判断が必要ですし、やり方によっては悪化しかねないので、ご自身で行うのはやめてください。

時間が経っていればヒアルロン酸や脂肪注入

時間がある程度経っているケースでは、指で押してもクセが治らないことがあります。その場合は、ヒアルロン酸や脂肪を注入して目立たなくすることができます。
脂肪注入は短期間で吸収されることがありませんが、ボリュームアップ用の脂肪を注入すると、引きつれなどの失敗症状が治まってきたときに、その部分だけ不自然になりかねないので、通常より細かい良質な脂肪だけを選りすぐったマイクロCRFで滑らかに整えています。

1年経っても元に戻らない場合は脂肪注入&たるみ治療

1年以上経っても元に戻らない場合は、状況次第ではありますが、待っていても自然には改善しないと考えられます。その場合、改善が見込めそうであれば、自己組織の脂肪注入で自然に整えます。
フェイスリフトで皮膚を剥離していっきに改善する方法もありますが、顔には極力傷を作りたくないので、タイトニング機器など引き締め治療や糸リフトの追加も検討し、ご希望に沿ったより最善な治療方法をご提案します。

執刀医今西 理也
施術名顔の脂肪注入VOVリフト
施術概要皮下脂肪を採取し、老化細胞や血液等の不純物を遠心濾過で除去。同時にコグ(突起)のついた吸収性の糸で組織を引き上げる。
施術費用顔の脂肪注入:1部位 ¥260,000〜550,000(税込¥286,000〜605,000)
VOVリフト:¥30,000(税込 ¥33,000)/本〜
モニター募集に関して詳しくはこちらをご覧ください。
▷たるみを自然に解消【お顔の脂肪注入モニター募集】
施術の副作用・リスク痛み、浮腫み、内出血、引きつれ、知覚障害など。(※この他にも予期しない症状が現れる可能性があるので、術後異常を感じた際には速やかにご相談ください。)

糸リフト失敗を防ぐためのドクターの選び方

「糸リフトは溶けてなくなるから、失敗してもいずれ元に戻る」と思っている方がいるかもしれませんが、そうとは限りません。フェイスリフトを行っているドクターからは「2~3年前の糸が組織に残っていることが結構ある」という話も聞きます。
確かに時間とともに改善するケースは多いですが、例えば施術時にできる組織内の瘢痕(傷)が引きつれの原因になっているようなケースでは、糸が溶けても元に戻らないことがあります。
やはり失敗しないためにも、信頼できるドクターに納得できる施術をしてもらうことが重要です。検討する際には最低限、次のポイントをチェックしてみてください。

顔の解剖学を熟知しているか

糸リフトは決して「入れればいい施術」ではありません。また同じ糸を使えば同じ効果が得られるものでもありません。糸本来の効果を引き出しながら自然な仕上がりにするには、ゲストがどこの部分をどう引き上げたいか、肌質や皮下組織の厚み、たるみの程度など、さまざまな要素を総合的に判断したうえで、どの糸をどの層にどう入れるかという施術プランを立てる、ドクターの見立てが非常に重要です。
例えば私は、一番引き上げ効果が得られそうな箇所だけど、入れるとでこぼこや引きつれ感が予想される場合は、2番目に効果が高そうで、かつ安全な箇所を選択します。このように順序立てて検討する必要があります。
ただ、顔の解剖学をきちんと理解していないと難しい判断です。また、実際に診察しないと分かりません。カウンセラーが対応して、ドクターの診察が数分だけのようなクリニックは、十分な見極めができない可能性が考えられます。

糸の種類や特性に詳しいか

糸リフトにはいろんな種類があり、メーカーが公表する持続期間もそれぞれです。一見、長持ちする糸が優れているように思われるかもしれませんが、そうでもありません。持続力がある分、太かったり硬かったりといったデメリットがあったりします。糸それぞれの特徴を知っていて、適切に使い分けられるドクターに依頼することで、失敗のリスクは少なくなります。
ブログやSNSで症例や経験をチェックすることももちろんですが、実際にカウンセリングで質問してみると、糸リフトについて詳しいかどうかも見えてくるはずです。

説明や提案に納得できるか

決め手の最後は、そのドクターの説明に納得できるかどうかがポイントとなります。やはり医療において信頼関係は重要で、理解して納得していないと、術前のイメージと違っていたりして、満足度はどうしても下がってしまうものです。
THE CLINIC ではカウンセリングをしたドクターが責任を持って施術を行いますし、基本的に術後の経過フォローまで一貫して担当します。担当医が変わって仕上がりイメージにズレが生じることもありませんし、カウンセリングにはしっかり時間を取って、わかりやすいご説明を心がけています。もし分からないことがあれば、遠慮せずご質問ください。

THE CLINIC のたるみ治療と症例画像

たるみ治療には糸リフト以外の施術もあり、ゲストのお悩みやご希望と、顔の皮膚や組織の状態から、適した方法をご提案します。たるみ治療としてはピンとこないかもしれませんが、脂肪専門のTHE CLINIC では脂肪吸引や脂肪注入もひとつの選択肢です。

糸リフト

VOVリフトという糸でたるみ治療を行ったケースです。1か月後にしっかり引きあがり、3か月後は少し戻っていますが、術前と比べると、まだ効果が持続していることが見て取れます。

執刀医今西 理也
施術名VOVリフト
施術概要コグ(棘のような突起)のある吸収性の糸を皮下へ挿入し、顔のたるみを引き上げる。
施術費用¥30,000(税込 ¥33,000)/本〜
▷【糸リフトの無料カウンセリングに申し込む】
施術の副作用・リスク疼痛、浮腫、内出血、色素沈着、引きつれ、知覚障害など。(※この他にも予期しない症状が現れる可能性があるので、術後異常を感じた際には速やかにご相談ください。)

脂肪注入

額や頬、ほうれい線など、顔全体に脂肪注入した53歳女性の症例です。たるみだけでなく額の窪みやクマも改善されて、バランス良くバックエイジング効果が得られていることが分かります。

執刀医今西 理也
施術名顔の脂肪注入
施術概要皮下脂肪を採取し、老化細胞や血液等の不純物を遠心濾過で除去。これを術部に注入するエイジング治療。
施術費用1部位 ¥260,000〜550,000(税込¥286,000〜605,000)
モニター募集に関して詳しくはこちらをご覧ください。
▷たるみを自然に解消【お顔の脂肪注入モニター募集】
施術の副作用・リスク痛み、浮腫み、内出血、こわばりなど。(※この他にも予期しない症状が現れる可能性があるので、術後異常を感じた際には速やかにご相談ください。)

脂肪吸引

頬と顎下をスッキリさせたいとご希望の39歳のゲストでした。ベイザー脂肪吸引で引き締めを促しながら施術しているので、たるむことなくフェイスラインがシャープになっています。

執刀医今西 理也
施術名ベイザー脂肪吸引
施術概要ベイザー波という超音波を皮膚の内側から脂肪組織に照射して、脂肪細胞を柔らかく遊離。その後カニューレ(吸引管)で脂肪細胞を吸引除去する。
施術費用1部位 ¥270,000(税込¥297,000)
モニター募集に関して詳しくはこちらをご覧ください。
▷たるまず頬・顎スッキリ【お顔の脂肪吸引モニター募集】
施術の副作用・リスク痛み、浮腫み、内出血、こわばりなど。(※この他にも予期しない症状が現れる可能性があるので、術後異常を感じた際には速やかにご相談ください。)

タイトニング脂肪吸引×糸リフト

他院でフェイスリフトを受けたことのある50歳女性の、術前と1年7か月後の症例画像です。
効果は一番高いけど再手術は抵抗があるとのことだったので、ご希望の仕上がりに近づけるため、引き締めながらの脂肪除去に特化したタイトニング脂肪吸引にVOVリフトを併用しました。脂肪吸引と同時の糸リフトで、高い位置に皮膚をずらして固定でき、引き上げ効果が長続きします。

執刀医今西 理也
施術名タイトニング脂肪吸引VOVリフト
施術概要ベイザー波で脂肪細胞を柔らかく遊離してからカニューレで脂肪細胞を吸引除去。同時にRFエネルギーも皮下に照射し、コグ(突起)のついた吸収性の糸で組織を引き上げる。
施術費用タイトニング脂肪吸引:1部位 ¥400,000(税込 ¥440,000)〜
VOVリフト:¥30,000(税込 ¥33,000)/本〜
モニター募集に関して詳しくはこちらをご覧ください。
▷たるまず小顔【脂肪吸引×糸の小顔Vリフト】
施術の副作用・リスク痛み、浮腫み、内出血、引きつれ、知覚障害など。(※この他にも予期しない症状が現れる可能性があるので、術後異常を感じた際には速やかにご相談ください。)

まとめ:糸リフトの失敗で後悔しないために

糸リフトは、美容外科施術の中では気軽なエイジング治療ですが、決して簡単な施術というわけではありません。検討の際にはいくつかのクリニックでのカウンセリングを比較し、糸リフトや顔の解剖に詳しいドクターを選ぶようにしましょう。また、糸リフトの効果の限界や本当のメリットをしっかり理解してから決めることが、失敗を避ける方法だと考えます。
THE CLINIC では、自然な仕上がりと効果にこだわったオーダーメイドの施術で、あなたのたるみの改善やたるみ予防をしっかりサポートさせていただきます。まずはお気軽にカウンセリングにお越しください。

<監修医師紹介>

木村 圭吾

今西 理也 (THE CLINIC 東京院 院長)

■経歴
  1. 1994年
    東京都生まれ
  2. 2007年
    東京大学 形成外科・美容外科 入局
  3. 2009年
    自治医科大学 形成外科 入職
  4. 2011年
    獨協医科大学 形成外科・美容外科 入職
  5. 2015年
    足利赤十字病院 形成外科 副部長 就任
  6. 2020年
    獨協医科大学 形成外科・美容外科 講師 就任
  7. 2021年
    THE CLINIC 入職
  8. 2024年
    THE CLINIC 名古屋院 院長 就任
  9. 2025年
    THE CLINIC 東京院 院長 就任
■資格
  • 日本美容外科学会(JSAPS)専門医
  • 日本形成外科学会指導医
  • 日本形成外科学会専門医
  • 日本頭蓋顎顔面外科学会専門医
  • 乳房再建用エキスパンダー/インプラント 責任医師
  • コンデンスリッチファット(CRF)療法認定医
  • VASER Lipo認定医
  • Botox VISTA認定医
  • Juvederm Vista認定医
  • TOTAL DEFINER by Alfredo Hoyos 認定医
■所属学会
  • 日本形成外科学会
  • 日本美容外科学会(JSAS)
  • 日本美容外科学会(JSAPS)
  • 日本頭蓋顎顔面外科学会
  • 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
■著書
技術教科書『安全で失敗しない脂肪吸引の手術』(克誠堂出版)

ページトップに戻る

LINEで個別相談する

モニター募集/定価から最大50%OFF

無料カウンセリング予約 ドクターが診察します