シリコンバッグ豊胸のカプセルは摘出する? しない?
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シリコンバッグを挿入すると、カプセルという膜が胸の中に形成されます。この膜はシリコンバッグ抜去のときに一緒に取るべき? それとも取らない方が良い? このコラムでは、そんな疑問にお応えします。
カプセルを取り除くケースとは?
ネットや寄せられるご相談を拝見すると、カプセルをシリコンバッグの外装と思っている方もいるようですが、正しくは体の中でシリコンバッグを包み込むように形成される、自己組織の膜=被膜を指します。
結論から言うと、カプセル(被膜)は自分の組織なので通常残します。残しても石灰化していなければレントゲンにも写りません。カプセル拘縮がひどい場合は、抜去のみだとバストの変形も強く残ってしまうため取った方がいいですが、無理に取ろうとすると出血量が多くなりますし、脇からの抜去が困難です。そのリスクを冒してまで取り除いても、バストの見た目はそれほど改善されませんし、傷跡も目立ってしまいます。
このような理由から、THE CLINICではそういったケースこそ脂肪注入でフォローした方が良いと考えています。
カプセル(皮膜)を残すべきケース
では、その抜去と同時に脂肪注入を行なう場合。THE CLINICでもほとんどの方が同時にコンデンスリッチ豊胸を希望されるのですが、カプセル(被膜)をキレイに残して抜去するようにしています。なぜなら、その必要性があるからです。
この場合、一番注意しなければならないのは、バッグを抜去して空洞になったスペース(ポケット)に脂肪が入らないようにすること。ここには血流が通っていないので、脂肪が入ってしまうとその脂肪は壊死してしまいます。例えば、カプセル(被膜)を残すことを考えずに抜去したとすると、カプセル(被膜)が所々破れてしまい多数の穴ができるでしょう。そうすると、カプセル(被膜)の外側に脂肪を注入しても、その穴から脂肪がポケットに入ってしまうことが考えられます。つまり、カプセル(被膜)をキレイに残すことで、そういった危険性が少なくなるのです。
ただし、一朝一夕で習得できる簡単な技術ではありません。そのため当然ですが、きちんと経験を積んでいるドクターに依頼することが大切です。
コラムのポイント
- カプセルとは、体内でシリコンバッグの周囲に形成される自己組織の被膜
- カプセル(被膜)を取り出すには、出血量の増加や傷が目立つなどのリスクが伴う
- 同時に脂肪注入する際には、カプセル(被膜)をキレイに残して脂肪壊死を回避
<監修医師紹介>
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大橋 昌敬 (THE CLINIC 総院長 / 第112回日本美容外科学会会長)
- ■経歴
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- 1990年
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久留米大学医学部 卒業
久留米大学医学部 第二外科 外科学 入局
(胸部外科学、救急医学、麻酔全般を習得/博士号取得)
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- 1994年
- Toronto General Hospital(Canada)
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- 2000年
- 聖心美容外科 東京院副院長 就任
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- 2003年
- 聖心美容外科 福岡院院長 就任
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- 2009年
- THE CLINIC 福岡院院長 就任
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- 2012年
- THE CLINIC 東京院院長 就任
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- 2015年
- THE CLINIC 技術指導医 就任
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- 2017年
- THE CLINIC 統括指導医 就任
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- 2022年
- THE CLINIC 総院長 就任
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- 2023年
- 第112回日本美容外科学会長就任
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- ■資格
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- 日本胸部外科学会認定医
- 日本外科学会認定医
- 日本美容外科学会専門医
- VASER Lipo認定医
- TOTAL DEFINER by Alfredo Hoyos 認定医
- ■所属学会
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- 日本外科学会
- 日本胸部外科学会
- 日本形成外科学会
- 日本美容外科学会(JSAS)
- 日本美容外科学会(JSAPS)
- アメリカ形成外科学会(ASPS)