ヒアルロン酸豊胸や脂肪注入豊胸の間違った治療でしこりが増える!?その真相を直撃!
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脂肪注入豊胸やヒアルロン酸豊胸でしこりが出来た場合、問題なのは除去の方法です。他院で行なわれているエコー診察なしの"溶解注射"や"圧迫分解"の危険性とは? しこりを安全に除去する方法をご紹介します。
マンモグラフィーでしこりが分裂!?
他院で受けた豊胸術でしこりができてしまったという方を診察する機会の多いTHE CLINICですが、そのエコー検査で驚きの症例を目にすることがあります。それは、2つのしこりがつながった状態で存在しているというもの。話を聞けば、最近マンモグラフィーを受けられたとのことでした。また、しこりを押しつぶす治療を受けたという方のエコー検査でも、同様の症例を見かけることがあります。
しかし、壊死脂肪やヒアルロン酸でできているしこりが増殖することはありえません。つまり、圧力によってしこりが破裂し、漏れ出した中身が新たなしこりになったと考えられるのです。
罪深きは無知なドクター
では、なぜ押しつぶすとしこりを除去できると考えられていたのでしょうか? 実はこの治療法、ドクターの知識のなさが露呈された方法とも言えるものだったのです。
実際はヒアルロン酸も壊死した脂肪も、被膜で覆われると吸収されることはありません。また、つぶして中身を被膜から出しても、そのすべてが吸収されてなくなるというのは期待薄です。つまりドクターが、つぶしてしまえばいつかは吸収されるだろうと安易に考えていた、もしくは深く考えていなかったということが予想されます。事実、知識がないために、ヒアルロン酸のしこりへケナコルト(脂肪を分解する酵素)を何度も注射するドクターもいるようです。
しこりを完全になくすためには、エコーでしこりを目視しながら確実に分解したり除去したりすることが必須条件。触診だけを頼りにした方法ではピンポイントなアプローチができないため、完全に除去することは難しく、しこりが消滅したかどうかも確認できないので、残ってしまうことが少なくありません。そもそも、脂肪注入豊胸のしこりに対する正しい治療法はしこりの性質によって異なります。そのため、エコー検査でしこりの種類をきちんと診断してから治療法を選択することが不可欠であるという当院の研究結果を、国際的な医学誌や国内の学会でも発表しています[1][2]。
そして恐ろしいのは、このような間違った治療を繰り返すことで、しこりを完全に取り除くことがエコー下でも困難になってしまうこと。そうならないためにも、最初から正しい方法で治療することが大切なのです。
コラムのポイント
- 押しつぶす治療で、逆にしこりが増えてしまうケースもある
- エコーガイドのもと、しこりを目視しながら行うのが正しい治療法
- 間違った方法を繰り返すと、正しい方法でも治療が困難になる
よくある質問
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豊胸後でできたしこりは治療できますか?
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脂肪注入やヒアルロン酸豊胸のしこりはマッサージで消えますか?
マッサージは押しつぶしてしまうリスクも考えられるのでおすすめできません。しこりの内容物が漏れ出して炎症を起こし、腫れや痛みが生じる可能性があります。エコー検査で適切な診断と治療を受ける必要があります。
当院でも診察可能なので、ご希望の場合はご連絡ください。
<監修医師紹介>
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大橋 昌敬 (THE CLINIC 総院長 / 第112回日本美容外科学会会長)
- ■経歴
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- 1990年
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久留米大学医学部 卒業
久留米大学医学部 第二外科 外科学 入局
(胸部外科学、救急医学、麻酔全般を習得/博士号取得)
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- 1994年
- Toronto General Hospital(Canada)
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- 2000年
- 聖心美容外科 東京院副院長 就任
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- 2003年
- 聖心美容外科 福岡院院長 就任
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- 2009年
- THE CLINIC 福岡院院長 就任
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- 2012年
- THE CLINIC 東京院院長 就任
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- 2015年
- THE CLINIC 技術指導医 就任
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- 2017年
- THE CLINIC 統括指導医 就任
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- 2022年
- THE CLINIC 総院長 就任
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- 2023年
- 第112回日本美容外科学会長就任
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- ■資格
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- 日本胸部外科学会認定医
- 日本外科学会認定医
- 日本美容外科学会専門医
- VASER Lipo認定医
- TOTAL DEFINER by Alfredo Hoyos 認定医
- ■所属学会
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- 日本外科学会
- 日本胸部外科学会
- 日本形成外科学会
- 日本美容外科学会(JSAS)
- 日本美容外科学会(JSAPS)
- アメリカ形成外科学会(ASPS)